聖剣や、お役立ち魔道具など……多田野君からのプレゼントをアイテムボックスに放り込み、イアン達へ声をかけ帰路についた。
彼のまとめたノートと禁書、魔道書も全て貰ったから、面倒事対策として、時間があるときに読んでおこう。
「この扉も、希少品なのは分かっているけどね〜」
ノートには、「基地に埋め込まれた魔道具も持っていけ」と書いてあったし、取り外そうか迷ったけど……多田野君が生きた証なので止めにした。
欲望丸出しの質問はともかく、性能的には一級品の建造物だしね。
今後、この近くで騒動に巻き込まれたとき、身を潜める拠点として使うつもりだ。
「お兄様、聞いてください! 昨日の戦いで、新しい槍の型を試したんです!」
今回の戦闘姿も、”舞”と見紛うばかりに可憐だったが……正直に言ったら悲しむよな?
「うん、見ていたよ。勇ましくてカッコ良かったね」
「ありがとうございます! カッコイイなんて、えへへ……」
本音を隠し褒めてやると、エスターは誇らしげに胸を張った。
頭を撫でたら、嬉しそうに貼り付いてくる。
相変わらずウチの弟は、目に入れても痛くないほど可愛らしい。
「ご主人様、次はガーコス男爵領へ向かうのですか?」
「そうだなぁ、イアン。味方からの報告によると、奴らが籠っている出城は山の上にある。僕たちが叩く方がいいだろう」
「かしこまりました。水攻めでも落とせるでしょうが、時間の問題もありますしね」
「ああ」
僕の気持ちを察してか、イアンとエスターは、調査結果の話を避けてくれた。
二人とも、薄々勘付いているようだが……追求せずに、別の話題を振ってくれる。
正直、どこまで話すべきか決めかねているので、猶予を貰えるのはありがたい。
情報が情報だけに、僕も混乱しているから……頭を冷やした上で、ゆっくり考えたいのだ。
もしムーア神皇国が、悪意を持って僕に接触する場合……配下の誰かが捕らえられ、そこから情報を抜き取られる可能性が高い。
裏仕事を生業としている信者に、捕縛命令を出せばいいだけだしね。
パーティーメンバーはともかく、ウチの末端メイドは、Bランク冒険者と同程度の実力。
裏職の人間が隙を付けば、捕えられない事もない。
欲に塗れた権力者の相手も面倒だけど、宗教に心酔している輩はそれ以上に厄介だ。
洗脳の効果は凄まじいから……神の望みと言われれば、どんなに難しい仕事でも成功させる気で動く。
捕まえて拷問しようにも、神の教えに染まりきっている相手を、恐怖で操るのは難しい。
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「対策が、ないわけじゃないけど……」
配下全員に、隷属・従属契約で「捕まったら舌を噛み切るか呼吸を止めて死ね」と命じれば、情報漏洩は避けられる。
だけど彼らに対して、そういう事はしたくないし……そんな手段を取るくらいなら、対策しない方がマシだ。
僕に厳しい手を使う気がない以上……敵が動けば、情報漏れは起こるだろう。
忍び足で拠点へ帰ると、ダンさんが出迎えてくれた。
「お疲れさん。今日の見張りは朝まで俺がやるから、お前らは寝ちまえ」
「ありがとうございます。お言葉に、甘えさせていただきますね」
彼が見張りを引き受けてくれたので、イアン達とテントへ戻り、毛布に包まって身体を休める。
ノートの情報から考えて……剣や身体強化、攻撃魔法の素質が高いのは、勇者召喚に巻き込まれたからだ。
試み自体は失敗に終わったものの、巻き込まれたジンクに、勇者補正がかかったと推察できる。
宰相家やロサルタ王家の人間も、剣や魔法を得意としていたらしいけど……政治特化の宰相家と、オーク量産型の王家だぞ。
常識的に考えて、血筋じゃ<S>だらけの素質にはならない。
多田野君いわく、勇者には”剣術”を得意とする者が多いのだとか。
巻き込まれた僕も、例に漏れずそうなったと考える方が自然だろう。
「槍の修行ばかりしていたジンクが、あの程度の身体強化スキルしか、持っていなかったという事は……」
勇者補正がかかったのは、前世の記憶を思い出したタイミング。
ノートに書かれていた、多田野君のスキル構成をふまえると……鑑定の素質が生えたのも、この時かな。
「付与魔法や錬金魔法の素養は、元々持っていたものだろう」
宰相家の血筋か、突然変異かは分からないけど……十中八九、ジンクが生まれ持った資質。
過去の勇者に、付与魔法持ちはいないしね。
「アイテムボックスは、多田野君も持っていた。でも、大きさはイアンと同じ”中”だ」
“特大”サイズのアイテムボックス持ちなんて、自分以外見た事ないからなぁ。
もしかすると、斎藤甚九郎・ジンク共にアイテムボックスに恵まれ……両者のギフトが合体したのかも。
「う〜ん。何というか……付与魔法と勇者補正が掛け合わさって、超ド級のチート野郎になった感じだな」
僕自身の戦闘力はともかく……(紙防御とはいえ)攻撃力だけならSS級の人材を、数十秒で用意できるなんて反則だ。
どう考えても、常識的なレベルを逸している。
「トラブル体質なのに、弱いパターンよりはマシだけど」
今更、実力を隠す事などできないし……何が起きても力でねじ伏せられるよう、チートを極める方針でいくしかない!
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