Reincarnation Monarch

Chapter 1504: 1504 Lesson one thousand five hundred two.


Background
Font
Font size
22px
Width
100%
LINE-HEIGHT
180%
← Prev Chapter Next Chapter →



「そうか。ではいよいよと言うことだな?」

覚悟を決めた様な顔で言うカルラであったが、アウグロスは笑みを零しながら首を横に振った。

「いや、まだまだ先だ」

肩すかしを食らったカルラは、肩をすくめた。

「そうか……なるほど、色々と面倒臭いようだな?」

「そういうことだ。まだ当分はかかると思ってくれ」

カルラは仕方なさげにもう一度肩をすくめた。

「わかった」

カルラの同意を得、アウグロスが再び歩き出した。

「では参るとしよう」

カルラはその後を無言で追った。

そして階段へと辿り着くと、しっかりとした足取りでゆっくりと上がっていくのであった。



「……当分かかると言っていたが、それにしてもまだなのか?」

階段を上り始めてからおよそ五分ほど経った頃、さすがにカルラが重い口を開いて尋ねた。

アウグロスは振り返りもせず答えた。

「まだだな。そうさな……後三十分くらいだろうか」

カルラは思わず目を回した。

「まだそんなに掛かるのか!?……ならば、飛行魔法を使わないか?」

カルラがそこで当然ともいえる提案をした。

するとアウグロスがそこで初めて足を止めて振り返った。

「いや、ここでは魔法は使えない」

You are reading story Reincarnation Monarch at novel35.com

「使えない!?それはどういうことだ?」

「文字通りの意味だ」

「……何故使えないのだ?」

「わからぬ。だがここでは魔法は無効となるのだ。疑うのならばやってみるといい」

アウグロスに言われ、カルラが何かしら念じ始めた。

「では……飛ぶぞ?」

カルラは言うや、わずかに上を見上げた。

だがカルラの足は階段を踏みしめたままであった。

カルラは驚きの表情を浮かべた。

「……どうやら本当のようだな……」

「納得したかね?」

するとカルラが不本意そうに答えた。

「せざるを得んな」

諦念の表情となったカルラに対し、アウグロスが微笑んだ。

「理屈はわからぬが、こればかりは仕方ないのだ。諦めて歩くしかない」

「わかった。で、後三十分くらいだったかな?」

「そうだ。大体だがそれくらいだったと思う」

「そうか……以前とは異なり、身体が若返っていて良かったよ。でなければ身体が悲鳴を上げただろうからな」

カルラは苦笑を漏らしながら言った。

アウグロスはそれに微笑みで返した。

「そうだったな。だがそれはわたしも同じだよ。このガイウス・シュナイダーの若い肉体のおかげで、ずいぶんと楽なものだ」

二人はしばらくの間、共に笑い合うのであった。

You can find story with these keywords: Reincarnation Monarch, Read Reincarnation Monarch, Reincarnation Monarch novel, Reincarnation Monarch book, Reincarnation Monarch story, Reincarnation Monarch full, Reincarnation Monarch Latest Chapter


If you find any errors ( broken links, non-standard content, etc.. ), Please let us know < report chapter > so we can fix it as soon as possible.
Back To Top