「うん、そうだね。偶然か必然か、君に判断材料はないよね?」
アスタロトがエルを見つめながら言った。
エルは、その視線を恐る恐る受けながら答えた。
「……はい。わたくしにはわかりませんが……」
アスタロトはニヤリと微笑んだ。
「何か問いたそうだね?」
「は……いえ、アスタロト様にはわかるのでしょうか?」
アスタロトはにっこりとエルに微笑みかけた。
「ハッキリとはわからないよ。ただ、ほぼ確実に君はガイウスの特異点特性に引き寄せられたと思うよ」
「さようですか……」
「ああ、だがあくまで推測なんだけどね」
「はあ、しかしかなり断言に近く仰ったように思えますが……」
「うん。これまでの経験則から、まず間違いはないと思っているよ」
アスタロトはこれまた、ほぼ断言した。
「さようですか。ではわたくしがガイウスの今世での父親であるロンバルド・シュナイダーと出会ったのも偶然ではないと?」
「そうだね。もっともわたしはあまりその辺のことを詳しく聞いているわけではないがね」
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「はあ……しかし、わたくしがロンバルドに出会わなければ、ガイウスには出会っていないと思われます」
「そう。ではほぼ間違いなく、君はガイウスの特性に引き寄せられて、彼の父と出会ったのだと思うよ」
「そうなのですか……だとすると、かなり壮大な話しとなります」
「そうなのかい?」
「はい。と申しますのも、ロンバルドとわたくしが出会ったのはエデンの森でございまして、ガイウスが住まうエルムールより遠く離れております。また、何故エデンにロンバルドが来たかと申せば、話しが長くなってしまいますが、エスタにおける戦役があってのことでございます。ならば、わたくしとロンバルドがエデンの地で出会ったのが必然だとすれば、相当に手の込んだ出会いということになるかと思われますが……」
アスタロトは楽しそうにエルの話しを聞き、笑みを振りまきうなずいた。
「なるほどね。だがそれくらいは想定内だよ」
「そうなのですか?」
エルは驚きを持って問い掛けた。
「ああ、それくらいはよくあることさ」
「はあ……さようで……」
「エル、特異点というのはね……」
アスタロトはそこで一旦言葉を句切り、悪魔的な微笑を浮かべてエルを見つめた。
そして、口元をクイッと上げて皮肉な笑みを浮かべて言ったのだった。
「神の力なんだよ」
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