「相変わらずあんたは阿呆ね?」
カリンが、アスタロトに対する時とは真逆のとても低い声でデルキアを侮蔑した。
するとデルキアの頬がピクピクと痙攣しだした。
「……ぐぬぬぬぬ……」
「よく馬鹿につける薬はないというけど、やっぱりあんたにつける薬はないのよね?」
「……ううううぬぬぬぬぐぐぐぐおおおおおおおおおお!!!」
デルキアは、あらん限りの大声でもって咆哮した。
だが叫び終えるとデルキアは、頬を痙攣させたままではあるものの、少々落ち着きを取り戻していた。
「……ま、まあ確かに今のは……多少油断というか……なんだ……まあ、誰しも失敗はあるというか……」
デルキアが先程の失態について必死に弁明を試みようとするも、カリンは容赦なくさらに責め立てた。
「あんた、わたしが声をかけなかったら死んでたわよ?なんといっても奴の質量は膨大なんだからね」
するとデルキアの頬の痙攣は極限まで大きくなり、ついには顔の右半分が激しく震える程となった。
「……ま……まあ……そういった解釈も出来ないこともないような気もするものの、そうでないような気もしちゃったりなんかするしで、まあ何というか……推測はあくまで推測であって、もはや終わってしまったことをあれこれ言ったところで、詮無いような気がするしで、結局……よく判らないよな!な!な!な!」
デルキアは動揺のため、もはや自分でも何を言っているのか判らないくらいに支離滅裂な事を言うも、それでも途中でなんとか持ち直して、最後は強引になんとかカリンを丸め込もうとした。
しかし当然カリンが丸め込まれる訳もなかった。
「何言ってんのあんたは。誤魔化そうとしても駄目よ。ちゃんと礼を言いいなさい?助けられた以上、礼を言うのが常識でしょう?」
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するとデルキアは歯噛みして悔しそうな表情を顔一杯に浮かべた。
「……ぐぬぬぬぬ…………わ……わる……わる……わるか…………」
デルキアは謝罪の言葉を口にしようとするも、どうしても最後まで言い切ることが出来ずにいると、今度はカリンがイライラのため頬を痙攣させ始めた。
そしてついにそのイライラは、火山の噴火の如く爆発したのだった。
「往生際が悪すぎるのよーーーー!!!とっとと最後の一文字言いなさいよーーーーー!!!」
すると必死に言葉を繰り出そうとしていたデルキアが逆襲に転じた。
「今言おうと思ったのに邪魔したなーーー!!あーもう言わない!!気分が削がれた!!絶対言わない!!!」
「なによその理由は!!そんなの通用すると思ってんの!?」
「通用するかどうかなんて知らん!!わたしはもう絶対に謝らん!!」
「謝りなさいよ!!」
「嫌だ!!」
「謝れ!!」
「嫌だ!!」
すると姉妹喧嘩を下から静かに見上げていたシグナスが、呆れ顔でもって語りかけた。
「……お前たち、戦うつもりはあるのかな?グラシャ=ラボラスも呆れておるぞ?……」
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