するとここでシェスターが代わって尋ねた。
「グレン、その古代呪術とは何だ?」
「はい。古代呪術とは、言葉の通り古代期に良く行われていた原始的な呪術のことです」
するとシェスターがいぶかしげな顔をした。
「原始的か……わたしは呪術についてはまるで知識がないのだが、現代の呪術……そんなものがあるとして、それとはだいぶ違うものなのかね?」
するとグレンが間髪を入れずに答えた。
「はい。現代にも呪術はあります。ですがそれは魔法の延長線上にあるものでして、だいぶ違うのです。分かり易く説明致しますと、現代のものは物理的な仕掛けの上に立って、魔法で増幅させて祈祷を行う感じなのですが、古代のそれは魔法はまったく用いず物理的な仕掛けだけを用いて祈祷するのです。つまり巨大な六角形の地下通路が正にその物理的な仕掛けというわけなんです」
「ふむ……故に原始的なと表現されるわけだな?」
するとグレンが大きくうなずいた。
「正にその通りです。あの地下通路そのものに呪術的な意味合いを持たせ、長い年月をかけて祈祷しているというわけなのです」
「なるほど。つまり今も……というわけだな?」
「はい。正に今この時も、長い年月の中の一瞬なわけです。ですから呪術は今もほんのわずかずつ増幅しているというわけです」
「つまり魔法の代わりに時間を用いているというわけだ。それも途方もなく長い時間をかけて……」
「はい。全くその通りです」
するとシェスターの眉根に大きな皺が寄った。
「……それで、その祈祷というのはどちらなのだ?」
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グレンはシェスターの言葉の意味がわからず、聞き返した。
「え?どちらとはどういう意味なのですか?」
するとシェスターが厳しい表情はそのままに言った。
「つまりその祈祷が……祝いなのか、それとも呪いなのかさ……」
するとグレンが両手をポンと合わせて納得の表情となった。
「なるほど!祝いも呪いも背中合わせの代物。どちらも願うことには変わりはありませんからね」
「そうだ。この二つは表裏一体のものなのだ。それで……グレン、君の調査ではあの地下通路はどちらなのかね?」
シェスターの問いかけにグレンがうなだれた。
「……すみません。僕にはわかりません……」
グレンがさも申し訳なさそうに言った。
するとシェスターがすかさず右手を挙げて、うなだれるグレンに対して優しく声をかけた。
「いや、気にするな。呪術は君の専門外なのだからな。それに……専門家でもわかるかどうか……」
するとシェスターの言葉を継ぐようにして、メルバが言った。
「確かに……実際に呪術をやっているところを見れば、祝いか呪いかの区別はすぐにつきそうですが、単に地下通路があるだけではどちらなのかの判断は難しそうですね……何かレリーフのようなものでも地下通路にかけられていたりしたら別ですがね……」
メルバはそういうと難しい顔をして考え込んだ。
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