「……地獄だと!?……」
シェスターが驚きのあまり声を大きく張り上げた。
だがレノンはそれを予想していたのか、全く驚くことなくただ薄ら笑いを浮かべるのみであった。
「……まさか地獄で千年竜を暴れさせるつもりじゃなかろうな?」
するとそこでようやくレノンが薄ら笑いを解き、おもむろに口を開いたのであった。
「そのつもりだと申し上げたら、どうなさるおつもりですか?」
「……ふん、どうも出来んさ。このような虜囚の身とあってはな……」
「確かにそうですね。貴方方は何も出来やしません。しかしだからこそこうして教えて差し上げることが出来たということでもあります」
「……感謝しろとでも?」
「そうは言っておりません。ただ、わたくしは好意でこうして教えて差し上げている……と申しているまででございます」
「だからなんだ?なにが言いたい?」
「そう喧嘩腰にならなくてもよいのでは?……と申しているだけでございます」
するとシェスターがここで一拍間を置いた。
「……いいだろう。では冷静になって改めてお尋ねしよう。本当に地獄へ攻め込むつもりなのかな?」
するとレノンが大きくうなずいた。
「はい。その通りです」
「……正気か?本当に地獄へ……いやそもそもこの先に本当に地獄があるというのか?」
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するとまたもレノンが大きくうなずいた。
「ええ、ありますとも。確実にこの道の先に地獄は存在しています」
「ここが地獄への通り道だというのか……」
「ええ。とは言いましても、より正確に申し上げると地獄への通り道の一つとなります」
「……他にもあると?」
「ええ、沢山あるようです。正確な数字は判りませんが、他にもいくつも……聞くところによりますとローエングリン国内だけでも他に十カ所くらいあるそうですよ?」
「……それは、シグナスから聞いた話しなのか?」
「ええ、そうです。そういえばシグナス様が仰るには、お二方がお住まいになっておられるエルムールにも地獄への道はあるそうですよ?」
「エルムールに!?」
「はい。郊外の山の中腹に入り口があるそうです」
「……郊外の山……どの山だ?……」
「さあ……そこまでは聞いておりません。後程シグナス様にお尋ねになるとよろしいのでは?」
「……ああ、そうしよう。だが今はこの道のことを聞きたい。元々この道は地上へは繋がっていなかったのだよな?なのになぜ地下にこのような道があることが判ったのだ?」
「いえ、かつて入り口は開いていたそうです。ですがいつの頃かは判りませんが、入り口を塞いでしまったようですね。大量の土で埋め、踏み固めて塞いでしまった……理由は不明ですがね」
「いつ頃か判らぬのなら、なぜこの道の存在を知り得たのだ?」
シェスターの度重なる質問に対し、レノンが笑みを浮かべながら答えた。
「さあ、わたくしには判りません。それを含めて後程シグナス様に問われてはいかがですか?」
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